Anthropic、Model Hardware Standardの研究プレビューを公開
Anthropicは、AIエージェントをプログラム可能な研究・製造設備に接続するための仕様の初期版を公開した。
ひとことで言うと
AnthropicはModel Hardware Standardについて何を発表したのか?
Anthropicは、AIエージェントがプログラム可能な物理デバイスを操作するための共通仕様「Model Hardware Standard」の研究プレビューを公開した。同社によると、MHSは顕微鏡、液体分注装置、ロボットアームなどの機器との通信を標準化するもので、当初は選定された研究機関と先進的な製造企業に提供される。
要点
- Anthropicは、科学研究機関と先進的な製造企業からなる最初のグループにModel Hardware Standardの研究プレビューを公開した。
- 同社によると、MHSはAIエージェントが複数のプログラム可能な物理デバイスを操作するための共通仕様を提供する。
- MHSは標準化されたドライバーを使用し、Model Context Protocol、コマンドラインインターフェース、APIを通じた制御に対応する。
- Anthropicによると、このプレビューを通じて、規格のオープンソース化に先立ち、パートナーと安全性評価やベストプラクティスの策定に取り組む。
- Genentechは、液体分注装置、ロボットアーム、マイクロプレートリーダーを用いた概念実証でMHSとClaudeを試験した。
Anthropicは、Model Hardware Standard(MHS)の研究プレビューを、科学研究機関と先進的な製造企業からなる最初のグループに公開した。同社はMHSについて、AIエージェントが物理デバイスを安全に操作できるようにする共通仕様だと説明している。
Anthropicによると、この規格により、エージェントを顕微鏡、液体分注装置、ロボットアームなど、複数の研究・製造機器に接続できる。エージェントは、定型的な創薬実験から量子コンピューター上のレーザー調整まで、さまざまな作業でこれらのデバイスを並行して操作できる。開発は、AnthropicとHHMIジャネリア研究キャンパスの連携を通じて始まった。
プログラム可能なデバイス向けの共通インターフェース
MHSは、コンピューターのオペレーティングシステムとハードウェアデバイスの間を橋渡しする標準化されたソフトウェアドライバーを導入する。このドライバーは「read」や「write」といった基本コマンドを使用するとともに、接続された各デバイスを標準形式で記述し、デバイスとエージェントが互いを検出してネットワーク経由で通信できるようにする。
ユーザーは、コードだけでは分からない可能性のある特性を含め、機器に関する情報を自然言語のタグとして追加できる。Anthropicによると、こうしたタグにはロボットアームの重量などの詳細を記録できる。その後、ドライバーは、デバイスが測定できる項目、変更可能な設定、適用される安全上の制限を記した参照ファイルを生成する。
エージェントは、Model Context Protocol、コマンドラインインターフェース、またはAPIを使用するコードファイルを通じて、接続された機器を制御できる。Anthropicによると、これらの仕組みにより、エージェントは1行のコードで複数のデバイスを連携させられる。エージェントは操作の順序を組み立て、結果を監視し、状況の変化に応じてパラメーターを変更できる。長時間または高速な処理では、ドライバーコマンドをコードファイルにまとめ、各手順をエージェントが逐一推論しなくてもデバイス側で実行できる。
Anthropicによると、MHSはモデルに依存せず、プログラム可能なインターフェースを備えたあらゆるデバイスに対応し、標準プロトコルを通じて任意のエージェント実行基盤から利用できる。同社は、規格をオープンソース化する前に安全性評価と運用手法を策定するため、科学、ロボット工学、電子機器、製造分野のパートナーと初期版を共有している。
Claudeと研究機器を用いた試験
Anthropicの試験では、Claudeがレーザーを調整し、カメラを通じてビームの動きを評価したうえで、この工程を繰り返した。同社によると、Claudeはその後、得られた知見を決定論的なスクリプトに変換し、1つのコマンドでレーザーの位置を合わせられるようにした。
Genentechも、総タンパク質濃度の測定に用いられるBCAタンパク質アッセイの自動化に向けた概念実証でMHSを導入した。この構成では、液体分注装置、ロボットアーム、マイクロプレートリーダーを接続し、Claudeがプロトコルを統括した。
Anthropicが公表した資料によると、Claudeは水と粘性のあるウシ血清アルブミン溶液について液体移送時の流量を試験し、その後、マイクロプレートリーダーの測定値を専門家による移送結果と比較して分析した。Genentechの報告では、Claudeは水に毎秒約140マイクロリットル、タンパク質溶液に毎秒10マイクロリットルを選択した。また、チップ装着や液体検出のエラーにも遭遇したが、介入なしで復旧した。一方、実験では物理的、化学的、生物学的な制約への対応に限界があることも示された。
出典:Anthropicの発表「Previewing the Model Hardware Standard」(2026年8月27日公開)。
よくある質問
- Model Hardware Standardとは何か?
- AnthropicはMHSについて、AIエージェントが物理デバイスを安全に操作するための共通仕様だと説明している。プログラム可能なインターフェースを備えたデバイスに対応する。
- プレビューを利用できるのは誰か?
- Anthropicは、科学研究機関と先進的な製造企業からなる最初のグループに研究プレビューを公開し、利用申請の手続きも用意した。
- MHSはどのようなデバイスを制御できるのか?
- Anthropicは、顕微鏡、液体分注装置、ロボットアームを例として挙げている。同社によると、MHSはプログラム可能なインターフェースを備えたあらゆるデバイスに対応する。
- MHSの利用にはClaudeが必要か?
- Anthropicによると、MHSはモデルに依存せず、Model Context Protocolなどの標準プロトコルを使用する任意のエージェント実行基盤から利用できる。