Mistral AI、オープンウェイトの「Mistral Large 4」を公開
Mistral AIは、パラメータ数1兆の「Mistral Large 4」のオープンウェイトを公開した。同社によれば、コーディングとサイバーセキュリティのオープンウェイトベンチマークで最高水準の性能を示しているという。
ひとことで言うと
Mistral AIはMistral Large 4について何を発表したのか。
Mistral AIは、パラメータ数1兆のマルチモーダルモデル「Mistral Large 4(通称Le Chonk)」のオープンウェイトを公開した。同社は、オープンウェイトのコーディングおよびサイバーセキュリティ分野のベンチマークで最高水準にあるとし、3段階の推論モードを備え、主権AIの展開に向けて欧州のインフラ上で学習させたと説明している。
要点
- Mistral AIは、10月初旬からパブリックプレビューが行われていたパラメータ数1兆、ネイティブにマルチモーダル対応するモデル「Mistral Large 4」(通称「Le Chonk」)のオープンウェイトを公開した。
- 同社によれば、プレビュー以降の追加の強化学習によりコーディングおよび防御的サイバーセキュリティ性能が改善し、Mistral Large 4はCognition社の「FrontierCode 2.0」ベンチマーク(19.7%)と「Terminal-Bench 4.0」(41%)でオープンウェイトモデルの中で首位に立った。
- Mistral社によれば、本モデルはArtificial Analysis社の「Coding Agent Index」で48%のスコアを記録し、GLM-5.3とほぼ同水準でありながら、タスクあたりのトークン使用量は47%少ない。
- Artificial Analysis社の「Cyber Index」では、脆弱性の発見、再現、修正において51%のスコアを記録し、悪意あるサイバー要求への平均拒否率は96.6%に達したとMistral社は述べている。
- Mistral社によれば、本モデルは開発者が性能と推論コストのバランスを取れる3段階の推論モード(低・中・高)に対応し、欧州のインフラ上で学習された。
オープンウェイトを公開
Mistral AIは、パラメータ数1兆、ネイティブにマルチモーダル対応するモデル「Mistral Large 4」、通称「Le Chonk」のオープンウェイトを公開した。同社は10月初旬に本モデルの公開プレビューを開始しており、以降は開発者やパートナーからのフィードバックと継続的な強化学習を活用して、コーディング性能および防御的サイバーセキュリティ性能を改善してきたとしている。
Mistral社は、このモデルを欧州のインフラ上でゼロから学習させたとし、企業が自前でホスティングし、カスタマイズできる「主権AI」の基盤であると位置付けている。
コーディング性能
Mistral社によれば、プレビュー公開後に追加で3週間実施した強化学習により、Mistral Large 4はオープンウェイトのコーディングモデルの中で先頭に立ったという。同社はCognition社の非公開ベンチマーク「FrontierCode 2.0」で19.7%のスコアを挙げており、これはコーディングエージェントによる変更をリポジトリの管理者がマージするかどうかを評価する指標で、他のオープンウェイトモデルを上回ったとしている。
Artificial Analysis社の「Coding Agent Index」では、本モデルは48%のスコアを記録し、GLM-5.3と実質的に同水準でありながら、タスクあたりのトークン使用量は平均で47%少ないと同社は説明する。「Terminal-Bench 4.0」では、プレビュー版から13ポイント改善して41%に達し、出力トークンを30%削減しつつオープンウェイトモデルの中で首位に立ったとしている。
さらにMistral社は、Surge Code社が実施した一対比較によるブラインド評価にも言及し、Mistral Large 4はGLM-5.3、Kimi K3、DeepSeek V4.1 Flashよりも好まれ、評価対象モデルの中でClaude Opus 5.5に次ぐ順位だったとしている。
推論モード
同社によれば、Mistral Large 4は現在3段階の推論モードに対応し、開発者は性能とコストのバランスを調整できる。単純なタスク向けの「低」、日常的なタスク向けの「中」、そして高い精度と徹底した推論が必要なタスク向けで既定設定となる「高」である。
サイバーセキュリティ機能
Mistral社は、実環境における脆弱性の再現とパッチ適用についてモデルを評価するため、サイバーセキュリティ企業と連携したという。同社はArtificial Analysis社の「Cyber Index」で51%のスコアを報告しており、これは既存機能を損なわずに脆弱性を発見、再現、検証、修正する能力を測る指標だとしている。
Mistral社によれば、本モデルのガードレールは防御目的のサイバーセキュリティ要求と悪意ある要求を区別できるとし、JailbreakBench、StrongREJECT、AgentHarmにおける悪意あるサイバー要求への拒否率は平均96.6%に達し、これはオープンモデルの中で同社が計測した最高値だとしている。
同社は、プレビュー版モデルの実際のトラフィックにおけるサイバーセキュリティ関連の利用状況を監視し、実在するターゲットへのブラックボックス攻撃をモデルが拒否する様子を確認したと同時に、実際の攻撃を強化するために利用され得る可能性も特定したという。Mistral社はこれを受けてガードレールを修正中であり、今後も更新を続けるとしている。
同社は、Orange Cyberdefenseを含む企業設計パートナーに対し、侵入テスト、脆弱性評価、レッドチーム演習向けに最適化された専用モデルのプレビューアクセスを提供しているとし、アクセスは審査を経たうえで、テスト対象を認可済みシステムに限定する契約上の安全策の対象になるとしている。また、顧客は「Mistral Forge」と呼ぶツールを通じて自社固有のセキュリティデータを用いてモデルを調整でき、さらに小型でタスク特化型の派生モデルへと最適化することも可能だとしている。
出典:Mistral AI「Mistral Large 4(Le Chonk)is now open weight」、2026年10月29日公開。
よくある質問
- Mistral Large 4とは何か。
- Mistral Large 4は、通称「Le Chonk」と呼ばれるパラメータ数1兆、ネイティブにマルチモーダル対応するモデルで、Mistral AIがまずパブリックプレビューとして公開し、現在はオープンウェイトとして利用可能になっている。
- Mistral社はLarge 4に関してどのようなコーディングベンチマークを挙げているのか。
- Mistral社は、Cognition社の「FrontierCode 2.0」ベンチマークで19.7%、「Terminal-Bench 4.0」で41%、Artificial Analysis社の「Coding Agent Index」で48%のスコアを挙げており、いずれも他のオープンウェイトモデルを上回る、または同等の水準だとしている。
- Mistral社はモデルのサイバーセキュリティ性能について何を述べているのか。
- Mistral社によれば、本モデルはArtificial Analysis社の「Cyber Index」で脆弱性の発見、再現、修正において51%のスコアを記録し、悪意あるサイバー要求への平均拒否率は96.6%に達している。
- Mistral Large 4はどのような推論モードを提供しているのか。
- Mistral社によれば、本モデルは3つのモードに対応する。単純なタスク向けの「低」、日常的なタスク向けの「中」、そして既定設定であり、精密で徹底した推論を要する最も難しいタスク向けの「高」である。